「よくわかるマスター講座」は、自学自習をしてきた成果を確認するとともに、自身の強み、弱みを認識し、克服するために以下の内容を中心に実施しています。
「生産マイスターの重点ポイント、ウィークポイントの克服」では間違いやすい内容などに絞って、重点部分を解説致しました。特に、品質、コスト、納期、安全については、ただ単にテキストの説明をするのではなく、原理・原則の理解をしていただくことに重点をおきました。
「計算問題の克服」も苦手とする方が多いながら、生産マイスターを理解する上で重要な部分です。
3級では、コスト(C)における、編成効率、目標サイクル時間、連合作業分析の稼働率、人のパフォーマンス計算、ワークサンプリングの稼働率計算及び必要サンプル数の計算、設備総合効率の計算、品質(Q)における工程能力指数の計算、納期(D)における、所要量展開、発注量の計算、工程能力の計算などの演習を行いました。
ベーシック級では、コスト(C)おける人のロスの計算、編成ロスの計算、設備総合効率の計算、材料ロスの計算などの演習を行いました。
さらに、弱点フォロー(質疑応答)では、全体を振り返り、疑問の残っているところ、理解の浅いところなどの確認を行います。「ああ、そういうことだったのか!」と思っていただけるようなやりとりができるように心がけています。
3級、ベーシック級ともに受講者の方々が非常に熱心でした。
基本的な学習は一通り終えて、合格を確実にしたい!という方が多かったという印象です。弱点もご自身である程度把握されていましたので、演習問題の途中などに、個別に積極的に質問されて、理解を深めていかれています。
しかし、その中でもやはり計算問題が不得手な方は多いようです。計算問題については、丸暗記ではなく、なぜこういう計算をするのか?という目的思考の原理・原則を理解していただくように努めています。
そうしたこととあわせ、セミナーでは、直接指導講師に自社の現場で抱えている問題の質問などをいただき、それをもとに具体的な議論が行われることもありました。これは他の企業からの参加者にも有益であり、セミナーならではといえるでしょう。
セミナー受講の時期は生産マイスター検定を目前に控えていますので、学習姿勢も「合格第一」になりがちです。しかし、あくまでも原理・原則を大事にして、ここで得た知識をどう自社で使うかを常に考えていくと、検定試験の単なる受験勉強でなく、自分の業務に役立てることに繋がっていきます。そして、それがまた合格への早道になっていくことになると思います。これから受験される方も、また上級の試験にチャレンジされる方も、こうした視点で生産マイスターの学習に取り組んでいただくと、より有効なものになるでしょう。
石田恒之(いしだつねゆき)
石田恒之(いしだつねゆき)
株式会社日本能率協会コンサルティング
プロセスデザイン革新センター チーフ・コンサルタント
1980年大学院(会計学専攻:商学修士)修了後、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)に入社。IE部門に所属して、製造業の生産性向上、業績改善のコンサルティングを行う。その後一旦退社、原価管理、原価見積、物流原価計算など企業活動を財務数値と結びつけるコンサルティングを行う。JMAC復帰後、「全社最適化の戦略的マネジメントの導入実施に努める。タイ、韓国などの大手食肉加工業や大手水産加工業で、製造、販売を統合したマネジメントを実施、欧州系水産加工業のセーシェル、ガーナの製造子会社でも改善活動と予算管理を連動させたマネジメントを実施した。